回文詰め



 私は以前より、「小湊奈美子」というペンネームをよく使用している。これはペンネーム自体が回文になっているのだが、最初に使ったのが「回文詰」の発表の折である。

 「回文詰」とは、解いた時の詰手順が回文のようになっているもので、例えば「17金、同玉、26桂、同玉、17金まで5手詰」というようなものである。これまでに詰将棋パラダイス誌上で、私(小湊奈美子名義)が4作、後続で他の作家がいくつか発表しているが、世の中の大勢は、未だ回文詰の理解には至っていないといえる。
 私が創始者となっているものは、たいていがそうなのだ。

 さてここで、問題を2つ。

 問1:回文詰の最長手数は、何手詰だろうか。左図は、発表図の中では最長(9手詰。詰将棋パラダイス1990.10)で、この他にいくつか13手詰を試作したが、おどろしい形のものしかできないため、発表していない。

 問2:(4n-1)手詰の回文詰は存在するだろうか。これまで発表された回文詰は、いずれも(4n+1)手詰(具体的には、5手と9手)である。3手が不可能なのは自明で、7手ができないことも少し考えれば分かる。考えを進めると、(4n-1)手型の最短手数は19手になるのだが、これは可能なのか?

 最後になるが、回文詰は解いてもつまらない。回文詰だと分かると、半分解ければ残りが解けてしまうからである。